【新聞:岩手版】自動で低速走行真っすぐ溝堀り

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】自動で低速走行真っすぐ溝堀り

[2023年5月1週号]

 【東南部】遠野市青笹町の中平知宏(25)さんがナガイモを栽培する圃場で、自動操舵システムを搭載したトラクターでの耕起作業が先ごろ実演された。スマート農業の作業の早さなどが注目される中で、土を深く真っすぐに掘るためにトラクターを時速0・1㌔からでも走行できる機器などが紹介され、中平さんがその性能を体験した。

自動操舵システムで掘られた直線の植え溝

 耕起作業の実演は、同市のスマート農業の普及を目的として、株式会社みちのくクボタ(荻野伸充代表取締役社長)と株式会社TOPCON(江藤隆志代表取締役社長CEO=最高経営責任者)の協力で実施された。農家が所有するトラクターに、電動ステアリング、GPS(衛星利用測位システム)信号などを受信するアンテナ、ディスプレー、ホイールアングルセンサーを後付けすると、自動操舵システムが可能となる仕組みだ。

 今回はトレンチャーでナガイモの植え溝を掘る作業を実演した。土を深く真っすぐ掘ることがナガイモ栽培には必要だが、負荷をかけないためにもトラクターを低速で走らせなければならない。

 TOPCONのIT農業ソリューション部東日本リーダー・小沢孝一郎さんは「ホイールアングルセンサーを標準装備すると、時速0・1㌔から作業できる」と説明。みちのくクボタ担い手推進岩手第2チームの畠山哲郎チーム長は「今年作業した圃場を登録すると、来年は同じ圃場を自動で作業できる」と話した。携帯電話を利用し、GPS電波が届きにくい場所でも2~3㌢の誤差で作業できる機械も紹介された。

 真っすぐ掘るための目印を作業前の圃場に付けるなどの工夫をしていた中平さんは、「作業前のひと手間が必要なくなる。機械作業に慣れてない人でも操作できるので、仕事の効率が高まると思う」と期待を込める。


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