【新聞:岩手版】ソバ栽培 遊休農地解消と交流の場に

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】ソバ栽培 遊休農地解消と交流の場に

[2019年9月3週号]

 【東南部】住田町下有住地区の下有住いきいき活動協議会(金野純一会長)では、遊休農地の解消策として、ソバを栽培している。また、栽培したソバを使用し、そば打ち体験を開催。地域住民や世代間交流の場としても利用されている。

「ここは以前、草地でしたが、自分たちで耕起してソバ畑になりました」と金野さん

 同地区では、2017年に「いわて中山間地域いきいき暮らし活動支援事業」を活用し、地区内の遊休農地約1㌶にソバを栽培する。金野会長は「遊休農地の解消に協議会が取り組むことで、遊休農地を所有する方々に農地の現状に関心を持ってほしかった。種まきのときには、夏休みの小学生や地域住民が参加して種まき体験を行います。収穫作業は、汎用コンバインを持っている農家の方にお願いしています」と話す。

 「昨年、一昨年とシカによる食害がありました。役場の助成を受けて電気牧柵を設置しましたが、最近は鳥の被害も出てきました」と金野会長。「水田だった耕地では、長雨が続くと湿潤害になるので天気予報は注意して見ています」と栽培の苦労を話す。

大豆栽培にも意欲

そば打ち体験会には多くの地域住民が参加

 同協議会の活動はソバ栽培だけではなく、収穫後に地域内外の子どもや大人を招待し、そば打ち体験会なども開く。子どもからお年寄りまでが一堂に集まることで、地域の世代間交流を促進させている。「そば打ち体験に参加するのはもちろんですが、より多くの人に参加してもらいたいのでそばを食べるだけでも大歓迎です」と笑顔で話す。

 金野会長は「国道107号沿いなどにもまだ遊休農地があります。昔は農家ごとに味噌やしょうゆを作っていたので、原材料となる大豆なども栽培していきたいです」と今後の展望を話した。


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