【新聞:岩手版】ホワイトアスパラガス 堆肥改良で品質向上

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】ホワイトアスパラガス 堆肥改良で品質向上

[2021年2月1週号]

 【北部】ホワイトアスパラガスを栽培する二戸市浄法寺の株式会社馬場園芸では、堆肥を改良して品質向上につなげた。また、自宅で栽培できる「ホワイトアスパラガス栽培キット」をインターネットなどで販売し、客層の拡大に成功している。馬場淳代表(31)は「自宅でも新鮮で甘いホワイトアスパラを味わってほしい」と意気込む。

「昨年の収量は6㌧。堆肥を改良したことで収量も増えた」と馬場代表

 馬場園芸では、遮光幕ハウス3棟(合計280坪)で6月から12月にかけてスプレーギクを栽培。出荷した後は、11月から翌年3月にかけてホワイトアスパラガスを栽培する。

 「もっと甘くて香り豊かなアスパラにしたい」とアスパラガスの成分を分析した馬場代表。ミネラルなどのアミノ酸の含有量を意識して、2018年から堆肥に魚粉や県産マッシュルームの廃菌床などを配合している。

 栽培キットに使われている培土は、園芸用培土メーカ―とともに開発した。「培土には、ヤシ殻やくん炭など燃えるゴミに出せる素材を使用した。ふかふかの土で水はけが良く、根の張りが良くなった」と話す。

株だけの販売を予定

栽培キットに遮光シートをかけた状態

 「発案のきっかけは、トマト苗の栽培キット」と馬場代表。12月からホワイトアスパラガスの栽培キットの販売を開始した。土と肥料が入った30㌢×30㌢の鉢にアスパラガスの株が1株植えられた状態で販売される。「暖かい室内で、付属の遮光ビニールをかけて週に一回水やりをするだけ。2週間程度で収穫できる」と話す。

 コロナ禍の影響で飲食店などからの注文が減少する中、「栽培キットで客層の幅が広くなった」と馬場代表。「初心者でも簡単なので、子育て世代にも人気。『孫のプレゼントに』と注文する方もいる」と手応えを感じている。

 今後、栽培キットを購入した方には、株だけの販売も予定しているという。馬場代表は「多くの方にホワイトアスパラの魅力を伝えられる機会になれば」と期待を込める。


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