【新聞:岩手版】体を大きく万全の管理

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】体を大きく万全の管理

[2022年7月2週号]

「自分で育てた牛が入賞したらうれしい」と細川さん

 【盛岡】紫波町片寄で繁殖牛30頭、肥育牛20頭を妻と2人で飼育する細川志伸(38)さんは、今年10月に開催される「第12回全国和牛能力共進会(通称:和牛オリンピック)鹿児島大会」に出場する予定だ。入賞を目指して牛の体調管理を日々徹底している。

 細川さんは実家の畜産業を継ぐため、22歳で岩手に戻り就農。当時は肥育牛だけだったが、事業拡大のため繁殖用牛の飼育も始め、現在は一貫経営となっている。「最初は4頭で始めた。繁殖用牛の飼育方法はすべて本で勉強した」

 牛をより大きく育てるため、人工哺育に取り組む。通常は90日間哺乳するが、生まれてすぐに親牛から離し、50日ほどで餌を食べさせ始める。

 「人の手で餌の管理をすることで、病気を見つけやすくなる。病気のリスクを減らし、牛を大きくする環境を作っている」。人工哺育にすることで、繁殖用牛の発情が早くなり繁殖しやすくなるという。

県畜産の評価を上げたい

さしの入り方などをエコーを使って確認

 全国和牛能力共進会は、和牛の能力と斉一性の向上のために5年に1度開催され、見た目で競う「種牛の部」と、肉質を見る「肉牛の部」の2部門がある。細川さんは、種牛の部の親牛と肥育牛のセットで総合的に評価される総合評価群に参加する予定だ。

「重量やさしの入り方などが重要になる」と細川さん。約3ヵ月に1回の頻度で5回程度、関係機関が重量とさしの入り方を検査する。「日本一になることで、岩手県の畜産の評価が上がり、畜産業の活性化とPRにもつながる」

 第9回大会から参加してきたが、今大会が最後の参加だという。「大会に向けて体を大きくさせ、体調管理にも気を配っている。大会までの残りの期間、牛の管理を徹底して万全の状態で臨み、いい結果を残したい」と意気込んだ。


ページ上部へ