【新聞:岩手版】収穫・出荷に細心の管理

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】収穫・出荷に細心の管理

[2021年3月1週号]

 

「雪の下にあるニンジンが、かまくらの中のろうそくみたいに輝いて見えたので『灯かり』と名付けた」と馬場さん

 【中部】雪の下で越冬させることで甘みが増す雪下ニンジン。北上市相去町の「クレアクロップス株式会社」では、昨年12月から「雪下ニンジン・灯(ひ)かり」の収穫を始めた。同社代表取締役の馬場一輝さん(35)は、新鮮な雪下ニンジンを消費者に届けるため、細心の管理を心掛け、人材育成にも力を入れている。

 馬場農園として祖父が小ギク栽培を始め、父の代で栽培面積を拡大。2013年に馬場さんへ経営移譲し、翌年に法人化した。現在は、小ギクに加え、雪下ニンジンやレタスなどを約15㌶で栽培する。

 15年に雪下ニンジンの栽培を本格的に始めた馬場さん。今年は約1㌶を植え付け、約40㌧の収穫を見込んでいる。

 「収穫できる状態のニンジンを、雪下で越冬させることで甘みが増す。北上市は降雪量、気温ともに雪下ニンジンの栽培に適している」と馬場さん。一般的なニンジンの糖度は、5~6度だが、雪下ニンジンは約10度にもなるという。

灯かりは県内外に出荷するほか、ネット販売や学校給食にも提供する

 「雪下ニンジンは水分が多くて割れやすいため、コンテナへ入れるときなどに細心の注意を払い、丁寧に出荷作業を行う」

 同社では社員7人、パート社員6人、アルバイト4~5人を雇用する。収穫するには、トラクターである程度除雪した後に、手作業で掘り起こすという。作業する社員の負担を軽減しようと、最適な収穫方法を模索中だ。

 社員が効率よく作業できるように改善しようと、経営や人材育成についてさまざまな研修に参加する馬場さん。「経営者になり苦労は多いが学ぶことも多い。社員の成長を実感できるとうれしい。消費者の要望に応えるために、規模拡大や雇用拡張を目標に取り組んでいきたい」と意気込む。


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