【新聞:岩手版】好評のクラフトビール出荷

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】好評のクラフトビール出荷

[2019年5月3週号]

【東南部】遠野市の上閉伊酒造株式会社(新里佳子社長)では、遠野産のホップを使用したクラフトビールの出荷が始まった。また、春夏に限定した商品も販売し、消費者から好評だ。同社の醸造士・坪井大亮さん(38)は、関東で行われたイベントに参加し、遠野産のホップを使用したクラフトビールのPRしている。

出荷を待つビールを手に「遠野産のホップを使用することで遠野を盛り上げていきたい」と坪井さん

3種類を常時販売

 1789年から酒造りをする同社。「ホップを栽培している地元でビールを作っていないのはおかしい」と、1999年からは従来の酒造りの知識と技術を活かし、遠野産ホップを使用した「遠野麦酒(ZUMONA BEER」を醸造している。

 現在「ヴァイツェン」「ピルスナー」「アルト」の3種類を遠野市内の酒屋などで常時販売。昨年、同社の「ゴールデンピルスナー」が、インターナショナル・ビアカップ2018で、Keg(たる)部門のボヘミアンスタイル・ピルスナー分野で金賞を受賞した。ほかの商品も銀賞や銅賞を受賞し、高い評価を受けた。

金賞を受賞したゴールデンピルスナー

ホップを瞬間冷凍

 新たなブランド作りとして、2016年には瞬間冷却したホップを使って醸造した「遠野の華」を期間限定で販売。また、17年4月にはIBUKIホップを使用した「遠野のホップ農家から~IBUKI HOP SAISON(いぶきホップセゾン)~」を販売するなど新商品も増えている。

 坪井さんは「クラフトビールは、種類の豊富さも一つの楽しみだが、種類が豊富だからこそ商品ひとつひとつの品質管理を徹底している」と話す。

 4月末に横浜市の赤レンガ倉庫で行われたイベントでは、坪井さん自らが出向き、来場者などに商品のPRを行った。「お客さんから『おいしい』と言われるのが一番うれしい。魅力あるビールを作り続けていきたい」とさらなる意欲を見せた。


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