【新聞:岩手版】少量多品目の野菜栽培

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】少量多品目の野菜栽培

[2019年4月1週号]

【中部】色鮮やかな「七色人参」や珍しい西洋野菜の栽培に取り組むのは、北上市相去町で「うるおい春夏秋冬」を経営する髙橋賢さん(44)。少量多品目の野菜を栽培し、収穫体験や料理教室などのイベントも開く。「生産者・消費者・料理人を結びつけ、食の豊かな町にしたい」と情熱を注いでいる。

「おいしさに加えて、色鮮やかな野菜で楽しさも提供したい」と髙橋さん

 髙橋さんは、すし職人や製造業を経て実家にUターン。「自分の裁量で決めることができるのが農業の魅力」と、2011年に就農した。「自分の周りには米農家が多く、後発の自分が米を作って競い合うのは難しい」と考え、野菜の栽培を始めた。現在、7㌶で80種類以上を手掛ける。

 中でも目を引くのが「七色」シリーズだ。「飲食店のシェフから『色が映える野菜はないか』と聞かれ、カラフルな野菜を作り始めた。見た目でも楽しんでもらえたらうれしい。今は七色ラディッシュを試作中です」

作り続けノウハウ蓄積

 西洋野菜の栽培にも取り組む。「気候の違いからか栽培が難しい。種まきの適切な時期が分からず、梅雨の時期に腐らせてしまったこともある。数年後の安定供給を見据えて、毎年作り続けてノウハウを蓄積したい」

色鮮やかな七色人参。季節に応じてカラフルな野菜を栽培している

 また、国内産の野菜でも気候条件に左右されることがある。「3月に種まきをして、ハウスで育苗したソラマメがうまく育たなかった。そこで、翌年はマルチシートで覆って地温を確保したところ収量が大きく増えた。作物の特性を把握し、栽培管理を工夫する必要があると実感した」

食の豊かな町にしたい

 髙橋さんは、野菜を市内の産直や飲食店などに出荷する。自身の畑での収穫体験や、北上市の産地直売所「あぜみち」で人気シェフを招いた料理教室の開催にも携わった。

 「シェフの顔が見える産直は面白い。生産者・消費者・料理人を結びつけ、北上市を食の豊かな町にしたい」と夢を膨らませる。

 


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