【新聞:岩手版】技術継承、担い手育成に尽力

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】技術継承、担い手育成に尽力

[2021年5月3週号]

【中部】花巻市太田の農事組合法人HHA泉畑(戸来邦次代表理事=71歳)は今年4月、新規就農希望者2人にピーマンの栽培を中心とした技術指導を始めた。戸来代表は「自分たちの技術を伝えて、農業の担い手を増やしたい」と後継者の育成に力を入れる。

「力量を知る」を強調、独立へ支援

ピーマン栽培などを指導する戸来代表(中央)と小野寺さん(右)、米澤さん

 同法人は2014年に設立し、現在は水稲17㌶、大豆13㌶、ピーマン1㌶を栽培。「利益が確保できる農業」を経営理念に掲げ、コスト低減や作業の省力化に取り組んでいる。

 ピーマンの誘引にはアスパラガス栽培用のネットを採用。畝の両脇に支柱を立て、地面と水平にネットを張り、枝を誘引する。戸来代表は「網目を通って枝が伸びてくるので、支柱を1本ずつ立てて誘引する手間が省ける」と話す。

 新規就農希望者への技術指導は初めての試み。2年後の同市内での独立就農を支援する。戸来代表は「高齢化や後継者不足で農地を手放す農家が多い。指導を通して熱意のある人の就農を後押しできるし、地域の農業も活気づく」と笑顔で話す。

 指導を受けるのは米澤真弓さん(26)と小野寺貴大さん(27)。米澤さんは「就農後はピーマンを栽培したい。技術はもちろん、作業を簡単にするコツなども熱心に教えてくれる」と話す。小野寺貴大さんは「栽培技術だけでなく農業経営についてもしっかり学びたい。ゆくゆくは法人化を考えている」と意気込む。

 「自分の力量を知ることを強調して教えている。自分ができる範囲が分かれば、ほかに必要な労力が分かる。農業のコツをつかんでほしい」と戸来代表。「2人が指導をする立場になったら次の世代へ技術を伝えてほしい」と声援を送る。


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