【新聞:岩手版】挑戦する農家を支援

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】挑戦する農家を支援

[2020年2月2週号]

 飼料用米種子の販売などを行う奥州市江刺の有限会社ピース。毎年およそ10㌧の種子の注文があるという。試験栽培時から積み重ねた実績をもとに、飼料用米栽培に挑戦する農家に栽培面のアドバイスをし、作業受託なども支えている。

「飼料用米の栽培が経営の選択肢のひとつになれば」と家子代表

 同社は1998年4月に設立。2014年からは飼料用米(品種=いわいだわら)を栽培している。現在は主食用米5㌶、飼料用米5㌶、大豆30㌶を栽培するほか、水稲、大豆などの農作業受託も請け負う。

 「いわいだわらは、本州で最多の10㌃あたり842㌔の収量を記録した品種。実際に試験栽培を行ったが、収量の多さに驚いた。倒伏や病害にも強い」と話すのは、同社の家子秀都代表取締役(47)。

 

 岩手県農業研究センターから原種の提供を受け、16年に種子の生産と販売を開始した。現在はインターネットでも注文を受け、県内外から予約があるという。

 「初年度は500㌔を販売する予定だったが、今は毎年10㌧ほどの注文をいただくようになった」と家子代表。「種子を販売するだけでなく、栽培のアドバイスもできる。稲の生育や疑問に思ったことは、遠慮なく相談してもらいたい」と話す。

いわいだわらの種子

コスト面でも効果的

 飼料用米の栽培は、コスト面でも効果的だという。「主食用米と比べて刈取時期が遅い。圃場内でも乾燥が進むので乾燥機の燃料代が節約できる」

 家子代表は「飼料用米の栽培に挑戦する農家さんを支えたい。『田植えは自分でやるけど稲刈りはお願いしたい』というお客さんもいる。そのようなニーズにも可能な限り応えていきたい」と笑顔を見せる。


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