[2020年3月3週号]
「３月中旬から作業を依頼する予定」と山崎代表（左）。慎弥さんは「福祉施設との連携は人手不足に悩む農家の課題解決につながる」と話す
【宮古】家族でリンゴ３・５㌶などを栽培する宮古市崎山の南澤果樹園（山崎安人代表＝５８歳）では、障がい者福祉施設の利用者に摘果や収穫などの作業を依頼し、作業負担の軽減につなげている。
南澤果樹園では、山崎代表のほか３人の家族で農作業を担う。「パートを雇っていたが、労働力の確保は課題だった。知人の果樹農家から福祉施設との連携を勧められた」と山崎代表。２０１８年に山田町の障がい者福祉施設に農作業の支援を依頼した。
花摘みを行う利用者（写真提供＝南澤果樹園）
１９年は、春作業から収穫期まで週３回、１日４時間で依頼。延べ１９８人が作業に取り組んだ。「剪定後の枝の片付け、摘花、葉摘み、玉回し、収穫などを手伝ってもらった」と山崎代表。長男の慎弥さん（２８）は「作業手順は施設の職員から利用者に伝えてもらう。作業の目的を理解してもらうことが重要」と話す。
山崎代表は「単純作業が減ったので、剪定など専門知識が必要な作業に時間をかけることができている。規模拡大を目指しており、労働力の確保はその一歩となる」と今後を見据えている。