【新聞:岩手版】農家体験民宿で活気ある地域に

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】農家体験民宿で活気ある地域に

[2019年3月2週号]

【磐井】東京から移住してピーマンを栽培する一関市川崎町薄衣の千葉健司さん(36)は、築150年の祖父の家を改修。3月に「農家体験民宿古民家薄衣」を開業した。ピーマンの収量アップと、民宿を通した活気ある地域づくりのために奮闘する。

「空き家になった祖父の家を守りたいと思った」と千葉さ

 千葉さんは「川崎町という一ノ関駅から近い立地を生かし、都会に住む人にも田舎や自然の中での暮らし方や面白さを広めたかった」と話す。2007年に祖父が亡くなったことをきっかけに、同町へ移住して民宿の開業を計画。「民宿だけでは経営が難しいと思った」と、一関市が主催する「いちのせき暮らし体験ツアー」などに参加し、18年に就農した。

ピーマンの増収目指す

 「軽くて扱いやすく、栽培が比較的簡単だと聞いた」と、千葉さんは2棟のハウスを借りてピーマンを栽培する。また、JAのピーマン部会にも加入。「昨年は暑さで温度管理に苦労した。温度管理や土づくりは難しいが、先輩農家に教えていただいて感謝している。今年は収量アップを目指したい」と話す。

築150年の家を改築した「農家体験民宿古民家薄衣」。周囲の畑では野菜の栽培や収穫体験などを計画している

 民宿は、祖父の住宅を改修して営業する。「築150年の祖父の家はとても魅力的だった。元の建物の良さを残しつつ、生活感を感じさせないことに注意した」と千葉さん。柱や壁の色は塗り替えたが、床は建築当時のものを生かした。

 今後は田植えや稲刈りなどの農業体験だけではなく、集会所としての活用も計画している。千葉さんは「都会から来たお客さんが、この民宿を故郷だと思ってくれたらうれしい。地元の人の交流の場としても機能させたい」と意気込む。


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