【新聞:岩手版】成果上げる農福連携

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】成果上げる農福連携

[2020年3月2週号]

 【北部】菌床シイタケ栽培に励む久慈市天神堂の鈴木優一さんは、障がい者福祉施設に農作業の支援を依頼することで、労働時間短縮に成功した。農繁期は1日2時間の作業を週3回ほど依頼する。施設利用者の雇用創出にも効果があり、今後も連携を深める方針だ。

依頼している作業について農福連携実践農家見学会で説明する鈴木さん

 鈴木さんは、妻・真理子さんとともに菌床シイタケ(ハウス6棟・1棟あたり菌床6千個)を栽培している。「2018年に県北広域振興局から農福連携のモデル事業の依頼を受けたのがきっかけ」と鈴木さん。農作業を依頼するのは1か月に7回程度だが、農繁期は週3回ほど依頼することもあるという。

 主な作業は菌床への水かけのほか、菌床が入ったビニール袋の片付けなどだ。作業人数は、その時の作業内容などに応じて、施設の職員と鈴木さんが相談して決めているという。鈴木さんは「手が行き届かないところも丁寧に作業してくれるので助かっている」と感謝する。

菌床栽培に利用したビニールを職員と片づける施設の利用者

 作業内容は、施設の職員が利用者へ説明。作業は1日2時間で、休憩時間も取る。初めて来る利用者は、様子を見て長めに休憩をとってもらうという。

施設利用者に好評

 作業を請け負う社会福祉法人修愛会就労継続支援B型事業所さくらハウスの山下修司職業指導員は「特に冬場は仕事が少ないので助かっている。施設の利用者は、普段は事業所内で作業することが多い。いつもと違う環境での農作業は、リフレッシュにも繋がる。『次も農作業をしたい』と話す方も多く、今後も利用者の要望に応えたい」と話す。

 鈴木さんは「作業をお願いするようになってから作業効率が良くなり、労働時間が大幅に短縮された。農福連携は農家にも利点があるので、今後も農作業の支援をお願いしたい」と期待する。


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