【新聞:岩手版】高校生が商品化 トマトジャム完売

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】高校生が商品化 トマトジャム完売

[2020年11月3週号]

 【北部】県立一戸高等学校(一戸町、生徒268人)では、生徒が授業で栽培したトマトを使用したジャム「とまとの笑顔」を製造した。ラベルのデザインなども生徒が担当。同校の上野光久校長は「学校の農場で生産した食材を使って、生徒が試行錯誤して魅力が詰まったジャムができた。地域との共創で、学校の特色と町の魅力を発信したい」と話す。

4月に生徒が苗を定植(写真提供=一戸高等学校)

 同校では、総合学科の生活・文化系列農業選択の2年生15人、3年生9人が授業の中でトマト栽培を学んでいる。4月に同校の奥中山実習農場にある47坪の温室ハウス1棟で、トマト(品種「りんか」)の苗140本を定植した。

 「以前は直立誘引栽培だったが、Uターン栽培に変更したところ、収穫量が増えた。今年は360㌔だった」と上野校長。トマトの活用方法として、同系列の家庭選択生がジャムの製造を考案した。「収穫したトマト40㌔を使って83個のジャムを製造した。試作品がおいしかったので、商品化を手掛けた」と話す。

系列超えて生徒が連携

 ジャム1瓶に、約2個のトマトが使う。「トマトが苦手な子どもにも食べてもらえる商品にしたい」と、レモン汁で酸味を加え、砂糖の種類や量などを調整し、糖分を控えめに仕上げた。保存料や着色料は使用していないという。

「とまとの笑顔」1個130㌘

 商品のラベルのイラストは美術部の生徒が描き、文字は書道部の生徒が書いた。情報ビジネス系列の生徒はラベルの印刷や販売計画を担当。瓶詰加工は、一戸町の就労継続支援A型事業所のカナン牧場に依頼して、製造費用は一戸町が支援した。

 ジャムは神奈川県のアンテナショップや地元産直などで販売され、既に完売した。上野校長は「たくさんの方の協力でジャムを造ることができた。来年は、ジャムの製造数量を増やしたい。一戸町と学校が共創して、両方の魅力を発信していけたらうれしい」と話す。


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