所得向上・雇用創出に貢献

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

所得向上・雇用創出に貢献

[2018年7月1週号岩手版]

【岩泉町】町内の畑わさび生産組合5団体・関係機関・行政で組織する「岩泉町わさび生産者連絡協議会(馬川竹夫代表=67歳)が、平成29年度東北農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優良事例に選定された。農家の所得向上と雇用の創出が地域活性化につながる取り組みとして評価されている。

 

株分け作業をする馬川代表

日本一の生産量

 岩泉町での畑わさび生産は1984年から始まり、生産組合・関係機関・行政が一体となった取り組みを進める連絡調整役として、同年7月に協議会が発足。事務局は役場内に設置した。 

 約3㌶の畑わさびを栽培する馬川代表は「特に山間部は太平洋から吹き込むやませの影響で、夏でも比較的涼しい」と話す。栽培に適した気候のもと、生産量は徐々に拡大。現在は畑わさび生産量が日本一の産地に成長し、県内外の加工業者などへ主に練りわさびの原料として出荷する。

 馬川代表は「林地内で栽培される畑わさびは、岩泉町の豊富な森林を活用するため、今後も生産量を拡大させる可能性を持っている」と期待を込める。

 

町外の雇用にも

町内や隣接する普代村から従業員を雇用している

 今回の選定には、畑わさび栽培が農家の所得向上と雇用の創出に貢献した点が評価された。特に雇用の面では、町内だけではなく隣接地域での雇用につながっている。

 馬川代表は「6月中旬から10月末にかけて、出荷前の葉切り、株分け、洗浄といった調整作業に追われる。これらの作業は性別・年齢問わず取り組むことができる」と話す。

 同協議会の事務局を務める同町農林水産課農林振興室の佐々木寿志主任は「現在は加工メーカー側のニーズに合わせた出荷がメインだが、最終的には『岩泉産畑わさび』として全国へ向けての商品や原料の販売を展開していきたい」と話している。


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