料理彩る注目のエディブルフラワー

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

料理彩る注目のエディブルフラワー

[2018年8月1週号岩手版]

【花巻市】花やハーブなどを農薬を使わず栽培し、エディブルフラワー(食用花)を県内外のカフェやレストランなどに出荷する花巻市石鳥谷町の「Les Racines(レ・ラシーヌ)」。生産から販売まで手掛ける岡居亜優美さん(40)は、「ウエディングケーキやレストランのメニューなど、料理に使われる花として安心して使ってもらいたい」と話す。

農薬を使わずに栽培する

600種以上を栽培

 神奈川県出身の岡居さんは、東京の生花店に17年間勤務。農業は未経験だったが、結婚を機に花巻市石鳥谷町に移住し、2017年に就農した。

 「知人の農家からの誘いで花の栽培に興味を持った」と、現在は約3㌃の畑で600種類以上の花やハーブを栽培する。

 料理に彩りを添える食材として注目を集めているエディブルフラワーは、バラやパンジーなど種類が豊富だ。岡井さんは、専用の種を海外から仕入れ、春から秋は露地、冬はハウスで栽培する。

 土づくりや苗の育て方、農薬を使わない栽培方法など、基礎は義祖母に教わった。「農業を始めたのも、おばあちゃんの教えがあったから」と笑顔を見せる。

 

花畑の隣にカフェを

手作業で梱包。「お客さまの喜ぶ顔を想像しながら丁寧に包んでいます」と岡居さん

 エディブルフラワーについては独学だ。「農薬を使わないため虫が多く、傷みやすい。やってみないと分からないことが多く、毎日学ぶことばかりです」

 収穫から梱包、出荷までは全て手作業で行う。「溶けやすいので、保存できるのは冷蔵庫で1週間くらいまで。水で1枚ずつ優しく洗って虫がついていないか細かく確認している」

 今後は規模拡大を目指すという。「生花店ではできなかったことをしたい。花畑の隣にカフェを作ってエディブルフラワーを使った料理を提供したいですね」


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