[新聞:岩手版]次代を担う存在に~新規就農目指して研修中~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]次代を担う存在に~新規就農目指して研修中~

[2015年9月2週号 岩手版]

「トマト栽培に興味があるのでこの研修を生かしたい」とトマトの手入れに励む平野さん【一戸町】家業を継ぐため就農し、今年から一戸町奥中山の第三セクター「株式会社一戸夢ファーム」(代表取締役=稲葉暉町長)で農業研修を受講している同町の平野康孝さん(48)。同施設で野菜・花き類の苗作りや販売、機械操作などを学びながら大農家にも出向いて作業を学ぶなど、農業技術の習得に意欲的だ。

同施設での研修期間は2年間で、平野さんを含め2人が在籍。3期生となる平野さんは「入校してからの数カ月間で農業にだいぶ慣れてきました」と話している。

高校卒業後にアパレル関係の仕事に就いていた平野さんは、2年半前に家族と帰郷。長男ということもあって家業を継ごうと研修への参加を決意した。JAや普及センターからの紹介もあって同施設で農業研修を受けられることを知ったという。

入校1年目の平野さんは、トマトやネギ、菌床シイタケ、リンドウなど作物の栽培方法や仕組みを学んでいて、週に2回ほど地元の大規模経営農家を訪れて農作業の技術を学んでいる。

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研修先の夢ファームは設備が充実している

「施設内だけの研修だけでなく、実際に農業経営をしている方に教わることで技術の幅が広がりとても勉強

になります」と平野さんは「同じ作目でも品種によって生産方法が違うので覚えるのが大変ですが、生きている物なので気を遣いながら観察生産しています」とも話している。

研修では、1年目は多くの品目を扱い、幅広い知識と技術を習得。2年目は品目を絞り、より深く学ぶ。

 

9-2トップ写真1ホームページ平野さんは「今は慣れることに精一杯。試行錯誤を重ねる段階でありませんがトマト栽培に興味があるので、この経験を通して良質なトマトを栽培したいです」と話す。施設内で収穫した野菜や花きはJAに出荷している。

研修終了後に通年販売を目指している平野さんは「冬場の農作物の栽培方法も教えてもらう予定で、安定した生産を目指しています。商品作りの喜びを体感しながら創意工夫し、前向きに取り組んで新時代の後継者となれるように頑張りたいです」と展望を話す。(沼山)


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