歓声と学び 田植え体験

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

歓声と学び 田植え体験

[2018年6月1週号]

【奥州市】「えさし郷土文化館(相原康二館長)」が主催する田植え体験が先ごろ奥州市で開かれ、奥州市立岩谷堂幼稚園(菅原博園長・園児数20人)の年長組園児7人が参加。同館の職員に教わりながら、もち米の苗を丁寧にもち米の苗を丁寧に植えた。秋には稲刈りやもちつきを行い、園児は一年を通して農業を学ぶ予定だ。

 

館内には農業用品を展示

 同館では、郷土の文化財やかつて使用されていた農業用品を展示している。そば打ちやさき織り、陶芸などの体験プログラムも行われている。

 田植え体験は、江刺地区の生活基軸である農業について知ってもらおうと開館当初から企画され、今年で19回目の開催となった。

 

植え方は紙芝居で

 田植えを始める前に、同館に勤務する野坂晃平さんが紙芝居で植え方を説明。その後、7人の園児が施設内にある1㌃の水田に「こがねもち」を植えた。

一つ一つ丁寧に手植えする園児

 この日初めて田植えをする園児が大半で、真っすぐに植えるための「田植えじょうぎ」を使うなど、昔ながらの田植えを体験した。参加した園児からは「機械で植えているのは見たことがある。はだしは初めてで、泥が冷たかった」と歓声を上げた。

 幼稚園の菊池玲子教諭は園児の成長に期待する。「手が汚れることを嫌う園児もいますが、抵抗なく植えてくれた。いつも食べているお米が、手をかけられて出来ているということを忘れないでほしい」

 

地域の農家が協力

 野坂さんは「近所の農家の方にも助言と協力を得ながら行っています。子どもたちだけでなく職員の学ぶ機会にもなっています」と感謝する。

 植えられた苗は10月ごろに刈り取られ、11月には収穫したもち米を加工して実食する収穫祭が計画されている。野坂さんは「体験を通して、先人の知恵などが世代を越えて共有できる。機械化が進む中、自分の手で植えた苗をきっかけにして、農業に親しみを持ってほしい」と話す。


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