特産アスパラガス 反収倍増目指す

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

特産アスパラガス 反収倍増目指す

[2018年5月2週号岩手版]

【北上市】サラリーマンから専業農家に転身した北上市和賀町の石井建一さん(44)は、昨年から北上市の特産品であるアスパラガスの露地栽培(37㌃)に取り組んでいる。今年は土壌分析やハウス栽培も計画。収量アップを目標に管理に力を入れ、将来はアスパラガスの直売や多品目栽培も目指している。

 

肥料見直しハウス建設  販路・品目拡大に意欲

 東京都出身の石井さんはサラリーマン時代に、顧客の農家と接するうちに農業に関心を持った。「岩手は農業が盛んだということを知って魅力を感じた。岩手でしかできないことをやりたい」と、妻の実家がある北上市で就農を決意、2年目を迎えている。

「毎年の収穫時期が楽しみです」と石井さん

環境を生かす

 就農当初は先輩農家に農業を教わりながら、栽培する品種を模索した。「アスパラガスは北上市の特産品。栽培環境が整っていて取り組みやすかった」。昨年1月に地元の農家から畑を引き継いだ。

 昨年の収量は、10㌃当たり約500㌔。目標の半分だった。「今年は土壌分析をして肥料を見直した。来年は10㌃あたり1㌧を収穫したい」と意気込む。

 露地栽培と並行してハウス栽培も計画している。現在、栽培面積を拡大してビニールハウス1棟を建設中だ。「露地栽培は病気との闘い。ハウス栽培は雨を防いで病気の危険性が少ない。10㌃あたり2・5㌧の収量を目標にしたい」

 

昨年よりも生育は順調

畑に直売所を

 販売先は地元の産直「ありがだあんちゃ」で、販路をさらに拡大することを目指している。「自分で生産した野菜は地元で販売したかった。産直だけではなく、畑に直売所を併設したい。取りたてのアスパラガスを味わってもらえたらうれしい」

 将来はキャベツやトウモロコシなど、多品目の栽培も計画している。「大きな目標は、農業で生計を立てること。そのためにも、まずはアスパラガスで利益を上げて成功させたい。今年手を掛けた結果が来年の収穫期に出ると思うので楽しみです」


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