[新聞:岩手版]「実施隊」の負担軽減 ニホンジカ捕獲4倍

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]「実施隊」の負担軽減 ニホンジカ捕獲4倍

[2018年4月2週号岩手版]

【遠野市】ニホンジカによる農作物被害が問題となっている遠野市では、狩猟免許を持たない農業者らで「遠野市ニホンジカ捕獲応援隊(太田代雅敏隊長、隊員125人)」を結成、駆除活動の一部を補助している。2017年度は遠野市全体で活動当初の約4倍のニホンジカを捕獲した。

農村振興局長賞受賞を県庁に報告する太田代隊長(中央)

 遠野市のニホンジカ被害は市内全域に及ぶ。飼料作物や水稲、果樹への被害が大きく、16年度の被害額は9674万円。獣害全体の99%をニホンジカが占め、地域農業への影響は深刻となっている。

 応援隊は、県内唯一の取り組みとして14年度から活動を開始した。猟友会を中心に結成した「鳥獣被害対策実施隊(隊員82人)」の活動を補助している。

 活動の背景となったのは、第11次鳥獣保護事業計画(13年3月)の新たな規定だった。狩猟免許を取得していなくても、市が主催する安全講習会を受講することで、免許所持者の捕獲活動の一部を補助できるようになった。

 応援隊は、実施隊員が所有または管理する農地内でわなの見回りや獣類の痕跡などの情報を提供する。実施隊員の負担が軽減されたこともあり、活動開始年度332頭だった捕獲頭数は、17年度には1264頭に増加した。

 活動の成果が認められ、17年の鳥獣害被害対策優良活動表彰(農林水産省主催)で農村振興局長賞を受賞。太田代隊長は「今後はニホンジカ応援隊としてだけでなく、活動に幅を持たせた組織にしていきたい」と受賞を喜ぶ。

イノシシ対策の研修も

くくりわなはシカ以外の小動物がかからないように、つまようじで工夫

 遠野市では、くくりわなの仕組みや設置方法の実技講習会などを開催し人材育成にも力を注ぐ。また、ニホンジカだけではなく、イノシシやニホンザル、ハクビシンの効果的な防止対策についても研修を行った。参加者の女性は「農作物への被害が多く困っていた。自分の農地は自分で守りたくて応援隊になりたいと思った」と話す。

 遠野市農林畜産部農業振興課の阿部順郎課長は「農作物への被害は減少しつつあるが、まだまだマンパワーによる捕獲圧は強めなければならない。地域ぐるみでの捕獲をさらに進めていきたい」と話している。


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