[新聞:岩手版]しっかり観察 十分に給餌 大きく育てる

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]しっかり観察 十分に給餌 大きく育てる

[2018年4月1週号岩手版]

【一関市】磐井地域のブランド牛「いわて南牛」のPR活動を目的に結成された肥育・繁殖牛の若手生産者グループ「いわて南牛Pro5(以下プロ5)」。代表を務める一関市花泉町油島の佐藤良さん(42)は、牛肉の販売イベントを毎年開催し、魅力の発信に力を注いでいる。

「良質な肉になるように、しっかりと餌を食べさせています」と良さん

 2005年に肥育農家を営む父・清孝さん(69)の後を継いだ良さん。現在は肥育牛34頭を飼養する。「いい血統の牛は、大きければ大きいほど、サシの入った良質な肉になる」と、牛の様子を注意深く観察し、飼料にこだわるよりも牛がよく食べる餌を十分に与え、大きく育てることを心がける。周囲の信頼も厚く、仲間から推されてプロ5の代表となった。

イベント会場増やす

  プロ5のメンバーは、毎年7月下旬にいわて南牛の販売イベントを開く。4回目の開催となった昨年は、例年会場としている道の駅厳美渓に加え、道の駅かわさき、道の駅平泉の3カ所でイベントを実施した。

 当日は生産者19人が店頭に立ち、消費者と直接声会話しながら、いわて南牛をPR。地元で繁殖、肥育された雌牛1頭分(正味284㌔)をヒレ肉などに加工した約800パックのほか、モモ肉の串焼き470本を販売し、約180万円を売り上げた。

販売イベントで店頭に立つ良さん(左)

 特に毎年開催している道の駅厳美渓では、販売イベントが消費者に定着している。「早い段階で品不足となった。ほかの会場から商品を補充するほどの売れ行きだった」

 道の駅厳美渓で事務局を務める小岩隆広さん(32)はプロ5の活動に期待を寄せる。「市価より手頃な値段で販売いただいていることもあり、毎年多くのお客さまが来ます。7月には大きなイベントがないのでプロ5さんには助けられています」

 「売り上げから加工などの経費を引くと、ほとんど手元には残らない」と振り返る良さん。それでも「皆さんにいわて南牛のおいしさを味わってもらいたい」と笑顔をみせる。


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