[新聞:岩手版]サクランボ「夏恋」 高まる贈答用需要

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]サクランボ「夏恋」 高まる贈答用需要

[2017年7月3週号岩手版]

【二戸市】雨よけハウスを使用してサクランボを栽培している二戸市の荒谷一也さん(46)。「佐藤錦」や「紅秀峰」「ナポレオン」など8種類のサクランボ約200本を40㌃の面積で栽培、出荷している。中でも糖度が高くて粒が大きく、赤色の濃い佐藤錦をJA全農いわてが商標登録した「夏恋」として出荷しており、消費者からの人気も高い。

 

サクランボを仕上げる葉とめ作業に励む荒谷さん

〇朝取りを新鮮なうちに

 「二戸地域のサクランボはどこにも負けない自信の味です」と胸を張る荒谷さん。今年は開花時の天候が良く、果実の出来は良好とのことで、7月中旬まで収穫作業が続いている。

 荒谷さんは、家業の果樹園を継いで約20年になり、家族でサクランボのほか、ブルーベリーやリンゴの栽培に励む複合農家だ。荒谷さんが就農してからサクランボの栽培面積を約40㌃に規模拡大した。最盛期には、朝4時半から7時ごろまで収穫し、選別から箱詰めまで一連の流れで作業していく。

 「サクランボは、気温の低い時間帯に収穫する朝取りです。新鮮なうちに皆さんの元に届くように家族で連携をとりながら作業しています」と話す。

 

〇大粒で糖度17、着色80%

 バイオコルト台木を使用した佐藤錦の中から、糖度が17度以上で粒が大きく、着色度が80%以上の果実だけを厳選し、美しくきれいに並べられ出荷される夏恋。基準値を満たしているかをJA職員が検査している。

贈答用に箱詰めされた夏恋1㌔(写真提供=JA新いわて)

 夏恋には、1㌔(500㌘×2パック)約1万円、500㌘約5千円の2つの規格があり、予約での販売が中心となっている。県内で贈答用として人気があるほか、関東地方の生協では、インターネット限定での取り扱いとなっている。購入者にはリピーターが多く、需要が年々伸びているという。

 荒谷さんは「見た目にも美しく果肉が厚い夏恋は、芳醇で甘味の中に程よい酸味があり絶妙です」と話す。「今後は、夏恋のような質の高いサクランボの栽培を目指しています。二戸地域のサクランボの魅力が広まり、たくさんの方々に食べてもらえたらうれしいですね」と収穫に汗を流している。


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