[新聞:岩手版]タマネギ春まきに挑戦

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]タマネギ春まきに挑戦

[2017年1月3週号 岩手版]

「岩手一の春タマネギを目指したい」と新渕さん

【花巻市】タマネギの大規模生産を目指し「春まき栽培」や機械による作業の効率化に取り組んでいるのは、花巻市太田の農事組合法人リアル(新渕伸彦代表理事=41)だ。

同法人は、昨年の4月からタマネギ栽培を開始。岩手県では秋に苗を植える「秋まき栽培」が主流だが、積雪の影響を考慮し「春まき栽培」を取り入れた。タマネギの栽培初年度の収量は、一般的に10㌃あたり1㌧ほどといわれているが、同法人は3㌧を収穫。春まき栽培の効果を実感している。新渕代表は「秋植えは雪で越冬できないことがある。雪が降る地域は春に植えるべき」と春まき栽培を推奨する。

昨年の総収穫量は30㌧だったが、収穫できたのは栽培面積4㌶のうち1㌶だけ。収穫は機械で行なったが、運搬と選別は手作業だったため、1日に収穫できた面積は10㌃に届かなかった。新渕代表は「野菜コンテナを軽トラックに積んで何往復もして運びました。葉の部分を切り取る作業も全て手作業。麦の圃場準備が始まるので8月いっぱいで打ち切らざるを得ませんでした」と全て収穫できなかったことを悔やむ。

そのため、今年は4月から全ての作業の機械化を図り、より効率的な生産を目指すという。新渕代表は「種まき、定植、収穫、運搬、選別全ての作業を機械化して行います。1日あたりの収穫面積が昨年の10倍になりますね」と自信を見せる。

機械化に併せて栽培面積の拡大も検討しており、現在の4㌶から7㌶となる予定だ。「今年は岩手で一番の面積になると思います。岩手一の春タマネギを目指したいです」と夢を膨らませる。


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