[新聞:岩手版]南部一郎かぼちゃ 魅力を発信

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]南部一郎かぼちゃ 魅力を発信

[2017年1月1週号 岩手版]

「思いつきをすぐ実行に移す」と行動派の佐藤さん

【一関市】中世の農村景観「骨寺村荘園遺跡」が残る一関市厳美町の本寺地区で、農業を営む佐藤弘征さん(72)。美しい農村文化遺産を活用し、農業を振興しようと地域の先頭に立って働いている。

骨寺村荘園米研究会の会長を務める佐藤さんは、国の重要文化的景観に選定された同地区で栽培する米を2008年にブランド化。また、田植えや稲刈り体験もできるオーナー制度を設けて販売し、売上げの一部を景観保全活動に役立てている。

世界遺産の中尊寺(平泉町)へ奉納する由緒ある米をPRしようと、一関温泉郷の宿で骨寺村荘園米を提供するプランも進行中だ。

岩手で生まれた南部一郎かぼちゃは、佐藤さんがいち早く着目し導入した野菜。日本在来種を元に育種家の小山田智彰さんが開発した南部一郎を、2007年に自身が立ち上げた骨寺村荘園カボチャ研究会で生産している。

地元畜産農家の堆肥使用を基本とし、10㌧の生産量に迫る南部一郎は、遠方は東京や大阪の消費地まで出荷。加工品にも力を入れ、これまでに専門業者と共同で南部一郎入りのコロッケやスープを開発してきた。

南部一郎かぼちゃ

今シーズンはJR東日本東北総合サービス(株)と提携し、南部一郎で作ったピクルスを管内の駅で販売。南部一郎のさらなる魅力を発信していく。

骨寺村が中尊寺領だったことから、仏教で尊ばれる紫色に着想を得て、紫ダイコンを試験栽培する佐藤さん。販売に向けた研究会の発足も視野に入れており「骨寺村荘園から派生するプロジェクトを興して、地域の核となる農業を大切な仲間と和気あいあいとやりたい」と気力がみなぎる。


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