[新聞:岩手版]地域の特産守り全国に発信~ハトムギを使った茶や基礎化粧品、ようかんなどが好評

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]地域の特産守り全国に発信~ハトムギを使った茶や基礎化粧品、ようかんなどが好評

[2017年11月1週号岩手版]

【奥州市】地元産ハトムギを使った加工品を販売する、奥州市衣川区古戸の産直施設「古都の遊食」(塚本康雄代表取締役)。雑穀食品や基礎化粧品、菓子などの商品が消費者から反響を集めていて、中でも「はとむぎ茶」は、関東地方などから注文を受けている人気商品だ。

「美容と健康にお勧めです」とスタッフの三浦和子さん

 衣川産のハトムギなどの農作物を広く知ってもらおうと、1995年に当時の衣川商工会の会員10人が「株式会社カントリースペシャルプロダクト・衣川」を設立した。翌年には古都の遊食をオープン。現在、区内の農家が転作耕地を利用してハトムギを栽培し、収穫や加工をJAに依頼している。

 漢方薬ヨクイニンの原料として知られるハトムギには、ビタミンB群や「コイクセノリド」とよばれる栄養が豊富だ。コイクセノリドは、健康な肌を保つ効果や脂肪の代謝効果の向上、抗腫瘍作用にも効果があるといわれている。

 ハトムギから搾ったオイルには保湿効果があり、洗顔料や基礎化粧品に活用される。使用者からは「飲みやすい」「化粧品を使って肌がきれいになった」などの声が上がっているという。「美容と健康に効果があるのは確かだが、胎児に必要な栄養まで排出してしまうおそれがあるので妊婦は注意してほしい」と高橋健二専務は呼びかける。

ハトムギを使った化粧品やようかんなど多彩な商品

 現在はハトムギ茶や基礎化粧品のほか、雑穀米などに含まれるハトムギの粒や粉、ハトムギを練りこんだようかんを販売。高橋専務は「遠くだと沖縄県や愛媛県にも発送したことがあります」という。

 「購入する方の多くは、健康を気にしている方や効能を知っている方がほとんど。売る側も勉強の毎日です」と高橋専務。「27年前には区内のハトムギ生産者が183人いました。今は高齢化の影響で減りましたが、昔からの特産を守っていきたいです」と話している。

 

 

 


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