[新聞:岩手版]消費者の声を励みにおいしさを追求

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]消費者の声を励みにおいしさを追求

[2016年4月3週号 岩手版]

2016-04-03-11

「『楽しい』のその先。 お客さんに選んでもらえる商品を作りたい」と話すとも子さん

【矢巾町】自家産米を使った団子や餅菓子などの製造に励む矢巾町広宮沢の村松とも子さん(67)は、地場産品をふんだんに使用し、地域の農産物の魅力を発信。消費者の声を励みに、おいしさを追求している。

「産直に何か出したいと思って作り始めたのがきっかけ」と話すとも子さんは、2007年、自宅に加工場を設置。現在は、自家産米の「ひとめぼれ」や「ヒメノモチ」を使い、よもぎ餅や桜餅、がんづき、季節に応じて雛まんじゅうなどを作っている。中でも、屋号「孫兵衛堂」から名づけたしょうゆ団子の「孫兵ェだんご」は昔懐かしい素朴な味わいで、人気の商品だ。

村松さん方では、ひとめぼれ約50㌃、ヒメノモチ約5㌶を栽培するほか、繁殖牛15頭を飼養。夫・克三さん(70)が農作業を担当し、とも子さんは加工品づくりに専念している。「近所の農家の方にも農作業を手伝っていただいているおかげです。理解してくれる家族にも感謝しています」と、とも子さんは話す。

加工場での作業は毎朝3時ごろから始まる。出荷準備が終わると、盛岡市や同町の産直など7カ所へ配達。その後、団子作りを再開し、夕方6時ごろまで作業は続く。「休日はお正月くらいだけど、お客さんに『おいしい』と言ってもらえると、頑張れる」と、消費者からの声を励みにしている。

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がんづきを均等に切り分けるとも子さん

自家産米のほか、卵は同町の農家から仕入れたり、県産の蜂蜜を使うなど、材料にはできる限り地元のものを使用しているとも子さん。雛まんじゅうを作るときは、冷めても硬くならないように、団子の生地を使うなど、食味の良さを大切にしている。

また、商品には中身がわかるよう「つぶあん」のシールを貼ったり、季節を感じられるよう春は桜のシールを貼るなど「手に取りやすい商品」を心掛けている。

とも子さんは「今日より明日、明日よりあさって。前の日よりおいしい商品を作りたい」と意欲的だ。


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