[新聞:岩手版]自分で栽培した野菜を出荷できる喜び

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]自分で栽培した野菜を出荷できる喜び

[2016年9月4週号 岩手版]

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ミニトマトの手入れをする泰彦さん

【遠野市】兵庫県から移住し、ミニトマトの栽培に励む遠野市青笹町の佐野泰彦さん(36)。今年から本格的に農業経営を開始し、品質の向上と安定生産を目指し、日々奮闘中だ。佐野さん方ではハウス6棟(約15㌃)で「サンチェリーピュア」「プレミアムルビー」、新品種の「花鳥風月」の3種類を両親と協力して栽培している。

以前は自動車の整備士をしていた泰彦さんは、定年後にIターンし同市で農業をしていた両親を支えるため自身も移住を決意。当初は就農する予定はなかったが、実際に農業を手伝ってみて興味が湧いたほか、両親が生き生きと農業に従事している姿に影響を受け、2012年から就農へ向けて動き始めた。

自然が相手の農業は、天候や予期せぬ災害が収穫量に大きく影響することを実感したという泰彦さん。土壌分析を基に有機肥料を使用した土づくりや、防虫ネットによる害虫対策を行い収量の確保に努めている。「土の中の様子は目に見えないので、試行錯誤の毎日です」と話す。

ミニトマトは、4月下旬に定植し、6月中旬から収穫を開始。主な出荷先はJAで、今年は現在までに一箱4.8㎏入りで750箱を出荷。夜遅くまでの作業になることもある出荷用のパック詰め作業は、千箱を目標に10月中旬まで続けられる。

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「収穫の喜びを感じています」と泰彦さん

現在は、収穫作業のほか芯止めの作業も併せて行っており、忙しい毎日を過ごしている。「ミニトマトは手間のかかる作物なので、思い通りにいかない事もありますが、自分で作ったものを収穫できるので楽しんで作業をしています」とやりがいを実感している泰彦さん。収穫量にも手ごたえを感じており、当面の目標については「出荷規格内に収まるトマトを安定的に栽培する技術を身につけたい」と話す。

冬には600床の菌床を使い菌床しいたけを栽培する予定で、農業経営の安定にも取り組む。今後については「アスパラガスなど多品目の野菜作りにも挑戦していきたい」と意欲を燃やす。


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