[新聞:岩手版]義父の農作物で菓子 もっとおいしく

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]義父の農作物で菓子 もっとおいしく

[2017年6月2週号岩手版]

武田代表(右)が作る作物を、佳苗さん(左)がお菓子に加工

【滝沢市】「自分の家で取れたものを使い、子どもにも安心なおやつを」と菓子作りに励む、滝沢市篠木の「地産工房タケダ(武田孝助代表)」の武田佳苗さん(32)。義父の武田代表が栽培する農作物を使用した商品がおいしいと好評だ。また、パッケージにも工夫を凝らし「手に取りやすい」商品づくりを心掛ける。

 

 工房では、武田代表が作る赤飯、南蛮みそをはじめ、義娘の佳苗さんが作るシフォンケーキやスイートポテトなどの菓子も取り扱う。中でも、ポップコーンはしょうゆバター味と塩バター味の2種類を展開する人気商品で、適度な塩気と香ばしさが消費者に好評だ。

 佳苗さんは「調理師免許は持っていたが、仕事にするのは初めてだった」と話し、試作を重ねた。「たくさん勉強した分、お客さんからおいしいと言われて嬉しかった」と成果を振り返る。

3児の母でもある佳苗さん。「子どもに安心して与えられるか」を常に意識し、材料であるトウモロコシやサツマイモ、米粉などは、武田代表が栽培したものを使う。「今後は自分でバジルを育ててポップコーンの味付けに使いたい」と自家産食材への思い入れは強い。

佳苗さんはより魅力的な商品作りを目指し、6次産業強化のためのセミナーへ積極的に参加する。ポップコーンのパッケージデザインは、同セミナーで知り合った八幡平市在住のデザイナーに依頼した。「デザイン性が高いと、見た目も楽しんでもらえる。若い人に手に取ってもらう機会が増えた」と佳苗さんも効果を実感している。

ポップコーンは滝沢市内の産直などで販売

また、外袋は機能面も重視してチャック付きに変更。以前の袋に比べ単価が高くなるという不安はあったが「少しでもいいものをお客さんに届けて、食べ頃を長く楽しんでほしい」という二人の熱意で導入を決めた。

佳苗さんは「農業は、食べ物について詳しく学べる。お義父さんは、その機会を与えてくれた」と感謝の気持ちを話す。武田代表も「自分が育てた作物を大切に使ってくれるので励みになる」と喜ぶ。


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