[新聞:岩手版]食堂再開 そばの里の拠点に

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]食堂再開 そばの里の拠点に

[2018年2月2週号岩手版]

【釜石市】ソバの栽培と食堂の経営をする「カワキ商事(川端学代表取締役社長兼店長=45歳) 」では、昨年11月に「そば処川㐂家」を釜石市にオープン。近隣市町村の農家と連携し、手打ちそばをはじめとした地場産の食材を使った料理で顧客をもてなしている。

「ぜひ、地場産そば粉のおいしさを味わってください」と川端店長

市民に愛された食堂

 そばを中心とした直営店の構想を練っていた川端社長。2007年から地元農家と連携して、釜石市橋野町和山高原でソバの栽培に取り組み始めた。09年には同市や大槌町の農家と「そばの里組合(佐々木重吾組合長)」を設立して規模を拡大。17年産は12㌶のソバを作付し、5,700㌔を収穫した。

 かつての食堂「喜庵」は釜石市民を中心に愛されていたが、東日本大震災で被災。閉店を余儀なくされたが「喜庵のそばを食堂で食べたい」という顧客からの声が多かったことから、食堂再開を決意。釜石市野田町にあった工場を食堂に改修した。

 食堂では冷・温そば、うどんのほか、釜石ラーメンも提供する。川端店長が勧めるのは、ソバと小麦粉だけを使い自らが打つ「手打ちせいろそば(600円)」。川端店長が20年間の経験から習得した糸切りの技術で細く仕上げられ、のどごしの良さが特徴だ。「特に新そばは、香りもいいですよ。釜石では手打ちそばは当店のみですので、ぜひ食べて頂きたいです」

名物の「和山もりそば」

規模拡大と体験企画

 また、食堂名物の「和山もりそば」は、同市の和山高原(標高800㍍)にちなみ、重さ800㌘と食べ応え十分。値段も800円と和山高原に合わせて設定したことで「お得感があって見た目のインパクトも大きい」と若い世代からの人気も高い。

川端店長自身も、和山高原でソバを栽培している。「そばの里組合を法人化し、作付面積を30㌶に拡大したいです。グリンツーリズムとしてソバ農業体験やそば打ち体験も企画したい」と意気込んでいる。


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