[新聞:岩手版]高校生対象にセミナー~科学技術への関心を~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]高校生対象にセミナー~科学技術への関心を~

[2015年10月3週号 岩手版]


2015-10-3_12【盛岡市】実験や実習体験を通し、高校生に科学技術への興味や関心を高めてもらおうと、盛岡市の農研機構東北農業研究センターで先ごろ「ひらめき☆ときめきサイエンス」が開かれ、高校生18人と引率教員2人が参加。植物の水呼吸に関わるタンパク質「アクアポリン」と蒸散量との関係について稲の根から遺伝子情報(RNA)を取り出してアクアポリン量を調べる実験などに取り組んだ。

このセミナーは、日本学術振興会の科学研究費補助金(科研費)を活用した研究成果について高校生など若い世代に学んでもらおうと同振興会が国内の研究実施機関と共催するもので、同研究センターでの開催は2回目。当日は、アクアポリンの研究に取り組んだ同研究センター・村井(羽田野)麻理主任研究員ほか研究員が生徒たちを指導した。

実験では、さまざまな天気の日に採取した稲のアクアポリン量を比べるため、生徒たちは稲の根を切り取って液体窒素で凍らせて乳鉢ですりつぶし、遠心分離機にかけるなどの操作を行って遺伝子を取り出し、アクアポリン量を計測した。

その結果、よく晴れた日に採取した稲ほどアクアポリンが多く作られていることがわかり、生徒たちは、遺伝子レベルで植物がみずみずしさを保つ仕組みを実感し、理解を深めていた。

盛岡白百合学園高校2年の尻引彩乃さんは「授業ではできないようなハイレベルな実験ができて勉強になりました。将来は研究職に就きたいです」と話2015-10-3_14していて、県立盛岡第一高校2年の村木希さんは「難しい実験でしたが、とても楽しく学ぶことができました。大学は生物学系に進みたいので良い経験になりました」と話してくれた。

引率した県立盛岡第三高校の藤井尚美教諭は「高校では使えないような先進的な実験設備や試薬などを使うことができ、遺伝子レベルの実験にも触れることができたので、生徒たちには良い刺激になったと思います」と話し「この体験が進路決定の一助になってくれればいいですね」と生徒たちに期待する。(和山)

 


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