[新聞:東北営農技術版]特殊フィルム上でトマト栽培~負荷を与えて甘味凝縮~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:東北営農技術版]特殊フィルム上でトマト栽培~負荷を与えて甘味凝縮~

[2015年10月3週号 東北営農技術版]

2015-to10-3_52【岩手支局】土壌を使わずに特殊なフィルム上で作物を栽培する「アイメック農法」で、高糖度トマトの栽培に励む陸前高田市の株式会社JAおおふなとアグリサービス。4月に初めての出荷が始まり、新技術の導入に手応えを感じている。

同農法は、保水力のあるゲルのフィルム上で植物を栽培する方法で、トマトはフィルム越しに水分・養分を吸い上げるため負荷がかかる。このため、植物体内では果実に送り込む糖分などをより多く作り出すようになり、土壌で栽培するトマトより甘味が凝縮。通常のトマトの糖度が6~8度なのに対し、同農法でのトマトは8~10度にもなるという。 

同社は同市米崎町のハウス3棟114㌃で栽培に取り組み、昨年12月に中玉トマト「フルティカ」とミニトマト「小鈴」を定植。4月中旬から収穫を開始し、12月ころまで出荷を予定している。1日平均出荷量は約100㌔。年間で出荷量150㌧、販売金額1億円を計画している。

栽培管理に携わる同社の太田弘樹さんは「水・養液の管理はコンピューターで行うが、天候や温度によって調節が必要。7月から8月は高温の日が続き、品質管理が難しかった」と話している。

出荷先は主にJA全農いわてや県内スーパーで、地元産直でも購入できる。今後について太田さんは「良質のトマトを作り、多くの方々にこの甘いトマトを味わっていただきたい」と話している。

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コンピューターで水分や養液を管理


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