10年目のライス・アート 地域活性化に一役

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

10年目のライス・アート 地域活性化に一役

[2018年6月2週号]

【平泉町】農事組合法人アグリ平泉(佐々木正代表理事)が主催する「ライス・アートinひらいずみ」の田植え体験が平泉町長島で先ごろ開催された。地元の参加者をはじめ、グリーンツーリズムで農業体験を行う神奈川県の中学生も参加。今年のテーマ「奥州藤原三代」を描き、圃場はにぎわいをみせた。

 ライス・アートは、平泉町の観光PR、世代間交流を行うことで地域の活性化につなげるのが目的。2009年から始まり、今年で10年目を迎えた。これまで源義経や武蔵坊弁慶など、地元にゆかりの深い人物を描いている。

 ライス・アートは、イラストのアイデアをアグリ平泉で決定した後に、奥州市衣川区のデザイナーにデザインを依頼し、同町の測量士が遠近法を考慮した図面を作成。図面を基にアグリ平泉が圃場の準備を進めていった。

あいさつする佐々木代表

有色苗を植え替え

 田植え当日は天候に恵まれ、佐々木代表は「風薫るいい時期の田植えとなった。楽しく作業をしていただきたい」とあいさつした。

 1・2㌶の圃場にはあらかじめひとめぼれが植えられ、完成予定図で示した有色部分はビニールテープで縁どってある。参加者はその中の苗と有色苗の植え替え作業を行う。有色苗には「黄稲」「ムラサキダイコク」「べにあそび」「ゆきあそび」の4品種が使われた。

 

 「作業中に欠株になってしまった部分、間違って植えてしまった部分の補整する仕上げ作業に苦労している。また、雑草が生えてくるとイラストが変わってしまう」と佐々木代表は気を配る。

神奈川の中学生も

ビニールテープで縁どられた苗を植え替える中学生

 田植え体験には、神奈川県相模原市立緑が丘中学校の生徒約90人が参加。泥だらけになりながら、慣れない田植え体験に奮闘した。

 中学3年の田中博朗さんは「広くてきれいな田んぼだった。泥の感触が気持ち良かった」と汗をぬぐう。兵庫梨南さんは「苗を植えてもすぐ浮いてきてしまう。植え替える作業が難しかった」と充実した表情をみせた。

 ライス・アートは、6月中旬から見ることができ、出穂前後の8月ころまでが見ごろとなる。

 佐々木代表は「今までは遠くから全身が見える作品だったが、次回からは顔の表情がわかるような作品を作りたい」と意気込んでいる。


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