[2025年6月3週号]
【盛岡北】レタス(3.9㌶)を露地で栽培する岩手町沼宮内の澤瀬武志さん(48)。短い収穫適期を逃さないように、計画的に播種している。地力増進のため、収穫後の緑肥栽培にも取り組み、昨年は年間150㌧ほどのレタスを収穫した。グローバルGAP(農業生産工程管理)団体認証の取得を追い風に、栽培したレタスの認知度向上を目指す。
「気象条件に適応しながら持続可能な農業に取り組みたい」と澤瀬さん
12年に両親から経営を引き継いだ澤瀬さん。品種は「チアフル」、「スターレイ」、「オーウェン」、「ブルラッシュ」を栽培。品種で耐暑性が異なるため、3月から7月まで時期によって品種を変えながらセルトレーに播種する。
春は30日、夏場は25日ほどハウスで育苗してから圃場に定植する澤瀬さん。「定植してから収穫まで夏場では40日程度」と話す。収穫は5月下旬から10月上旬まで続くという。「レタスは収穫適期が短いので、3日間で収穫できる分を順次、播種・定植する。昨年の収穫量はおよそ150㌧。今年は180㌧が目標」と意気込む。
地力増進のため、レタス収穫後の圃場で緑肥を栽培する。8月下旬にヘイオーツ、9月下旬にライ麦「R―007」を播種し、それぞれ秋と春にプラウですき込む。「緑肥には硬盤破砕の効果もある」と澤瀬さんは排水性の向上にも期待する。
「さまざまな項目の基準をクリアして、審査を経て認証される必要があった」と澤瀬さん。24年にはJA新いわて岩手町G.レタス生産チームとして、グローバルGAP団体認証を取得した。
農作業場の入り口には、農場内の衛生管理やマナーについて示したボードを設置
「作業の記録や農場内の衛生管理などは大変だが、審査を受けることで自分の経営の自信につながる」と話す。25年は認証取得後初めての栽培となるため、今後の価格や認知度向上に期待が高まるという。澤瀬さんは「消費者に安心して届けられるように、今後も栽培に力を入れたい」と意欲を見せる。