[2025年2月3週号]
【胆江南】ハウス12棟(23㌃)でトマトを栽培する一関市大東町の菅原清さん(46)。高温対策として、ハウス3棟に外気導入型のファン・ダクトを設置した。遮熱資材と併せて使用し、ハウス内の温度を下げ、作業効率が向上。そのほか、トマトの着果率が上がったほか、日焼け果の発生を防ぐことにも成功した。
「ハウス内に外気を十分に行きわたらせるためビニルダクトには左右千鳥状で穴をあけた」と菅原さん
1997年に就農した菅原さん。両親や妻と協力しながら、水稲(1・3㌶)やリンゴ(50㌃)、トマトの栽培に取り組む。栽培するトマトの品種は「りんか409」。大玉で多収が期待できるという。
「高温対策が長年の課題だった」と菅原さん。以前は遮光資材を使っていたが、塗布の時期が5月の収穫作業と重複していたため、遮熱資材「レディヒート」を2014年に導入した。菅原さんは「塗布作業が3月にできるようになった。収穫作業とも被らないので楽になった」と話す。
24年4月には、農業改良普及センターと協力して、外気導入型ファン・ダクトを試験的に導入。外気導入型ファン・ダクトは、ハウスの換気窓に設置したファンから取り込んだ外気を1・5㍍ごとに穴を開けたビニルダクトから排出し、ハウス内を冷却する。「外気導入型ファン・ダクトと遮熱資材の導入で、ハウス内は外気より3度ほど涼しくなった」と笑顔を見せる。ハウス内が涼しくなったことで、収穫作業の時間短縮や、着果率が向上したという。「24時間空気を循環させるため湿気がこもらず、日焼け果などの生理障害も発生しなくなった」と話す。
ファンを回して外気に取り込む
23年から3棟のハウスでトマトの秋どり作型にも挑戦する菅原さん。7月に定植をして10月まで収穫する。菅原さんは「全国的にトマトの出荷が少ない時期に自分たちのトマトを出荷することで産地をアピールできればいい」と力を込める。