[2020年9月3週号]
【磐井】ハウス20棟で大玉トマト63㌃、ミニトマト2㌃を栽培する一関市東山町の那須一樹さん(35)。今年からインターネットを中心にミニトマト「プチぷよ」の販売を開始した。傷がつきやすいので箱詰めに気を配るほか、手間を惜しまずハウス内を見回り、最適なタイミングでの収穫を心掛けている。
那須さんは3年前に就農。トマトのほか、水稲3㌶なども栽培する。「今までは販売ルートがなかったので『プチぷよ』は自家消費用だった。知人から通販サイトでの販売の誘いを受け、今年から販売に踏み切った」と那須さん。現在はインターネットのほか、市内の産直にも出荷する。
プチぷよは酸味が少なくフルーツのような甘さと、柔らかい食感が特徴だという。「リピーターができるほどの人気で、今年販売分はすでに売り切れている」と話す。
「食べたときに口に残らないほど皮が薄いので、わずかな衝撃でもすぐに傷がついてしまう。日焼けにも弱いデリケートな品種なので、収穫は基本的には手作業。お客様の手元に届くまで気が抜けない」。箱詰めの際は、ヘタが実に接触しないように、下段のトマトのヘタが下向きになるように並べる。
慎重に熟期の見極め
「完熟の見極めが難しい」と話す那須さんは、ハウス内を注意深く観察する。「収穫が早過ぎると味が乗らないし、遅いと熟れすぎる。手間はかかるが、お客さまに一番良い状態でお届けするためにできる限りのことをしている」
将来は直売所の開設を目指している。那須さんは「農産物を出荷して終わりではなく、生産者と消費者の繋がりを大事にしたい。
お客様の声は励みになる。自分が栽培した野菜や地元を知ってもらうきっかけになるようにアピールしていきたい」と話す。(菊地佳緒理)