[2024年8月3週号]
「『青木さんの苗を待っていたよ』と言ってくれる人もいる。いい加減な苗は出せない」と青木さん
【花巻市】年間およそ30万ポッドの花きや野菜の苗を栽培して、ホームセンター6店舗に出荷する花巻市東和町の青木茂さん(65)。計画的に出荷するため、温度管理に力を入れている。また、セルトレーに固化培土が補充してある「プラントプラグ」を使用することで、土作りを省力化して、高品質な苗の生産に励む。
高校卒業後、神奈川県横浜市の農家で3年間花き栽培の研修を受けた青木さん。1976年から花巻市東和町で花き類の栽培を始めた。現在はハウス8棟(26㌃)で、妻の美紀子さん(60)、長女の華子魅さん(40)とマリーゴールドやベゴニア、サルビアなどの花きや、キュウリやナス、ハクサイなど野菜の苗を栽培。繁忙期にはパート従業員3人を雇用している。
「市場へ出荷するよりも価格が安定している」と青木さん。2010年からはホームセンターとの契約栽培を始めた。2月から10月まで、花きや野菜の苗を花巻市、北上市、奥州市の店舗に出荷している。「出荷計画表に合わせた栽培が難しい。出荷時期に合わせて播種しているが、発芽しないからといっていつまでも待てないし、計画より早く仕上がっても出荷できない。近年は、春の気温が高いので葉物野菜の生育が早い」
固化培土を利用 土作りを省力化
マリーゴールドはイラストを添えて出荷
播種は25度から30度に設定した温床マットの上で行う。「土づくりやセルトレーに土を補充する手間が省略できる」とプラントプラグを使用し、若苗定植する。「セルトレーから鉢上げする時は手作業になるが、固化培土は土が固まっているため移植しやすい」。
苗は、20鉢用のケースに位置を交互にずらしながら10鉢ずつ入れる。「病虫害の発生を防ぐために風通しを良くする」と青木さん。「これからも健康に気を付けながら品質のいい苗を出荷したい」と話す。