[2024年1月3週号]
【盛岡北】マッシュルームを通年栽培している八幡平市松尾寄木の「株式会社Horse&Mush(船橋慶延代表=42)」。自社農場で出た馬の厩肥を利用して栽培に取り組み、年間収穫量500㌧を目指す。また2024年には、規格外品を使用した「八幡平マッシュルームおこげ」の販売を開始した。
「マッシュルームはうま味成分が多い。だしの味を存分に味わえる商品なので、ぜひ食べてみてほしい」と船橋代表
同社では、自社農場「八幡平ジオファーム」で現役競走馬と引退馬合わせて約50頭を飼育している。「馬の厩肥をなにかに利用できないかと考えた」と船橋代表。通年栽培できるマッシュルームに着目し、2014年に栽培を開始。自社の馬の厩肥は培地に使用するため、栽培コストの軽減につながっている。
現在は8棟のハウスで甘みが強い「ホワイト種」と香りが強い「ブラウン種」を栽培し、合わせて年間約150㌧を収穫する。ハウスは断熱性の高い構造でできており、栽培適温である16~17℃を維持している。船橋代表は「マッシュルームは94%が水分。温度が低下すると味が変わるので、温度管理は特に気を付けている」と話す。
収穫などの作業には、農福連携を活用し、作業効率の向上を図る。「マッシュルームは成長が早いので、収穫には人手が必要。作業を手伝っていただけて助かっている」と船橋代表。月12㌧ほどを収穫し、地元の産直などに出荷している。船橋代表は「収量は直近で年間300㌧。最終的には500㌧まで伸ばしたい」と意気込む。
24年6月には、収穫が間に合わず規格外となったマッシュルームを使用した煎餅の販売を開始。「八幡平マッシュルームおこげ」と名付けて現在は、ネットショップや道の駅のほか、市内のホテルなどで販売している。船橋代表は「おこげを通じて、マッシュルームの良さを多くの人に知ってもらいたい」と話す。