[2024年12月2週号]
「連作障害や病気の心配は少ないので栽培しやすい」と岩渕さん
【一関市】「南部一郎かぼちゃ」を2013年から栽培する一関市花泉町涌津の岩渕司さん(78)。実が地面に触れて傷まないように、発泡トレーの上に載せて栽培する。収穫後はビニールハウスに並べて追熟させる。寒さやカボチャに付着した水分に注意して、出荷まで丁寧な管理を続けている。
南部一郎かぼちゃは2010年に品種登録され、高い糖度とねっとりとした食感が特徴のカボチャ。一関市厳美の骨寺村荘園カボチャ研究会が栽培を続けてきた。同会に所属する岩渕さんは、水稲5・2㌶のほか、15㌃の畑で南部一郎かぼちゃを栽培している。
苗は、同会が県の種苗センターからまとめて購入する。岩渕さんは「田植えが終わる5月下旬から定植して、7月下旬から花芽を付け始める。今年の夏は暑すぎたせいか、花芽のそろいが悪く例年の2割ほど収量が落ちてしまった」と話す。
カボチャの実が地面に触れないように、岩渕さんは全てのカボチャの実の下に発泡トレーを敷いて栽培する。「土に接した部分から傷んでしまう」。畑は小まめに見回るという。「カボチャの実がどのように成長するかは分からない。地面に触れないように、カボチャの実の成長に合わせてトレーの置き方を変える」。
地面に触れないように発泡トレーを利用
カボチャの実をビニールハウスに並べて、1か月ほど追熟させる岩渕さん。「9月下旬から収穫する。収穫直後はまだ甘さが乗っていない」。寒気が当たらないよう気を配るという。「寒くなると追熟が進まないので、カボチャに毛布を掛ける。寒暖差などでカボチャが濡れるとそこから傷み始めるので、水分が付いたら小まめに拭き取るようにしている」
今年は500㌔ほどの南部一郎かぼちゃを収穫した。岩渕さんは「カボチャは重いので収穫作業は大変。それでも、体力が続くうちは頑張りたい」と話す。