【新聞:岩手版】新たな経営の柱に

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】新たな経営の柱に

[2024年11月1週号]

「今年は大きくて立派なサツマイモができた」と芦さん

 【一関市】一関大東町の芦農園(芦謙二代表=42)では、トウモロコシ(55㌃)のほか、「紅はるか」や「シルクスイート」など6種類のサツマイモ(75㌃)を栽培している。収穫したサツマイモは地元の産直などで販売するほか、芦代表が経営するカフェで焼き芋やスイートポテトにして提供している。

 芦農園を2013年に立ち上げ、トウモロコシの栽培を始めた芦代表。サツマイモの栽培は21年から取り組んでいる。「サツマイモは、いろいろな形に加工して販売することができると考えた」と話す。

 今年産のサツマイモは、去年まで牧草地だった農地を利用して栽培している。圃場整備は、2月に耕起して雑草の株を冷気にさらして死滅させることから始めた。「4月にはロータリーをかけ、水はけのよい土づくりを心がけた」と芦代表。

 同農園で栽培したサツマイモの苗を使用し、5月中旬から移植作業を進めた。移植後の暑さで、移植した苗の10%ほどが枯れてしまい補植作業をしたという。

 「虫害対策が課題」と芦代表。コガネムシなどの幼虫が、土中でサツマイモに食害を起こすという。芦代表は「殺虫剤は使ったが、食害が起きてしまった。散布量や散布時期を見直したい」と話す。

サツマイモの収穫作業。サツマイモは約50㍍の畝に150株ほどを定植

 同農園では、10月初旬から収穫作業を開始。トラクターモアなどを使ってつる切りをした後、堀り取り機で畝から掘り出し、手作業で収穫する。収穫したサツマイモは洗浄してハウス内で乾燥させ、冷蔵庫で3カ月ほど熟成させる。熟成後のサツマイモは地元の産直や道の駅で販売するほか、芦代表が経営する同町摺沢のカフェ「カフェ&バル農人」で焼き芋やスイートポテトとして提供する。

 芦代表は「サツマイモ栽培をして、冬場に雇用の場となるように、芦農園の基盤となる産業としたい。干し芋の販売も考えている」と笑顔を見せた。


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