[2024年6月2週号]
【岩手町】ホワイトアスパラガス(約250㌃)を露地栽培する岩手町土川の田村孝美さん(64)。光を遮るために高畝を形成して、収穫まで地中で栽培する。また、収穫量を安定させるため、地中内の温度管理に注意を払う。今後は、SNS(交流サイト)などを通して販路の拡大を目指す。
実家で水稲などを栽培していて幼いころから農業に携わってきた田村さん。「ホワイトアスパラガスの栽培は、水稲などの収入がない春に、収入を得るため両親が始めた」と話す。両親から経営を引き継ぎ、現在は「ガインリム」と「フルート」の2品種のホワイトアスパラガスを栽培する。
ホワイトアスパラガスは遮光下で栽培をすることで、白く柔らかい茎となる。「加熱することで甘さが増す」と田村さん。ビニールハウスで栽培する人が多い中、田村さんは高さ約30㌢㍍の畝を形成して、播種から収穫までを露地で栽培する。地中で成長させるため、光を当てずに栽培できるという。「地中で栽培することで先端の擬葉が減る。穂先の凹凸が少なくなるので、しなやかな見た目になる」と話す。
ホワイトアスパラガスは地中から芽を出す4月上旬に高畝を形成。収穫時期は4月下旬~6月下旬までで、約1㌧を収穫する。「収穫量を安定させるためには、地中の水分と温度管理が大切」と田村さん。「雨が少ないと肥料が地中に流れないので育ちが悪くなる。近年は猛暑が続いている。水不足が心配」と話す。地中内を適温30度以下に保つため、雑草を高刈りして日陰を作るという。
収穫したホワイトアスパラガスは、出荷契約を結んでいる同町の企業へ出荷し、缶詰に加工して販売する。生食用も県内外のスーパーなどへ出荷する。田村さんは「今後は、SNSの発信などを通して販路を拡大したい」と意欲を見せる。