[2024年10月3週号]
【盛岡市】盛岡市の特産品「アロニア」を同市砂子沢地区で栽培する、「合同会社盛岡アロニア同盟(田村瑠代表=37)」。農福連携を活用して安定した収量の確保を目指す。収穫したアロニアは加工品として市内の産直やオンラインショップなどで販売。県内外でのアロニアの普及に力を入れる。
「アロニアのルーツである砂子沢地区を大事にしたい」と田村代表
盛岡市砂子沢地区では2004年にアロニアの栽培が始まり、現在は約10軒の農家が栽培している。同地区でのアロニア栽培を知った田村代表は異業種から農業の道へと進み、21年からアロニア栽培を開始。現在は約40㌃の圃場で、「プルニフォリア」と「メラノカルパ」の2品種を栽培している。
北米が原産のアロニアはブルーベリーに似た形で、渋い苦みが特徴。耐暑性耐寒性に優れているため、寒暖差のある砂子沢地区での栽培に適しているという。8月下旬から9月にかけて地区全体で、年間約1500㌔を収穫する。田村代表は「1本の木から収穫できるのは5㌔ほど。栽培に手間がかからないのが魅力」と話す。
圃場が山沿いにあり、シカやクマなどの食害対策として電気柵を設置している。また、収穫作業には農福連携を活用し、作業効率の向上につなげた。「機械ではなく手作業での収穫のため、とても助かっている」と田村代表。「農福連携を通して、働きを求める方の力になれたらうれしい」と話す。
加工品を展開
SNSでは販売状況などの情報を発信
収穫したアロニアは、甘酒やパウダーなどに加工して市内のデパートや産直、オンラインショップなどで販売している。田村代表は「アロニアは、栄養素が多く、血糖値の上昇を抑える効果などが期待できる。多くの人に味わってもらいたい」と話す。
アロニアの販売会などで県外にも足を運んでいる田村代表。「『盛岡=アロニア』と言ってもらえるように認知度と生産力の強化を図りたい」と意気込む。