【新聞:岩手版】繁殖成績向上を実感 安定経営への正念場

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】繁殖成績向上を実感 安定経営への正念場

[2022年1月1週号]

岩泉町

合砂 哲士さん(34)

 2006年に実家で就農し、去年、父から経営を譲り受けました。現在は両親と妻の4人で、黒毛和種の繁殖と日本短角種の繁殖・肥育という経営です。

「作業効率の向上に向けて、2カ所ある牛舎を1カ所に集約することを検討しています」と合砂さん

 16年の台風10号では、自宅や牛舎、牧草地に土砂が流入する被害を受けました。牛に被害はありませんでしたが、停電で牛が飲む水を沢からくみ上げることができず、水の確保に苦労しました。ボランティアの方が土砂を搬出してくれるなど、多くの方のおかげで復旧できました。

 経営を譲り受けてからは、繁殖成績の向上を目指して、新たな配合飼料を与えています。若い母牛の繁殖成績は、徐々に良くなってきていると実感しています。

 15年に受けた前回の取材時より、若干ですが頭数が増えました。現在は、1カ月おきに2頭ほど出荷していますが、毎月出荷できるようになることが目標です。増頭するには、病気になる牛を減らし、死亡事故を起こさないことが大切なので、病気の予防に力を入れていきたいです。

 コロナ禍の影響で、子牛市場での販売単価はこれまでより10万~20万円程度下がり、飼料や資材など経費は高くなっていて、経営的には厳しい状況です。コロナ禍が収束して市場での販売単価が回復したときに、安定して出荷できるように、頭数を確保していくつもりです。安定した経営に向けて、ここが踏ん張りどころだと感じています。

▽繁殖・肥育=黒毛和種23頭、日本短角種25頭


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