【新聞:岩手版】良品出荷を追求

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】良品出荷を追求

[2024年7月1週号]

 【宮古市】キュウリやブロッコリーなどの野菜を通年で出荷する宮古市田代の上坂清一さん(81)。品質の高いブロッコリーを出荷するため、梱包時には氷を詰めて鮮度を保つほか、緑肥としても効果があるトウモロコシとの二毛作に2023年から取り組んでいる。

「息子と協力して栽培に取り組みたい」と清一さん

 上坂さん方では2㌶の圃場で「ピクセル」「おはよう」など3品種のブロッコリーを妻と息子、収穫期はパート従業員10人を雇用して栽培する。圃場ごとの収穫時期が重ならないように、2月下旬から1週間ずつずらしてセルトレーに播種。育苗時はネズミの食害を防ぐために、コンクリートブロックの上にセルトレーを置き、地面から15~20㌢程高くする。

 定植後は約2カ月生育させて、10~15㌢の大きさのブロッコリーを手作業で収穫。気温が25度を超えると生育が進むため早朝に取るという。6月上旬から7月下旬までJAや市内の産直へ出荷する。

 梱包には発泡スチロールを使用して、田野畑野菜集荷場で地元の漁協から仕入れた氷を詰める。上坂さんは「氷を入れることで鮮度を保つことができ、ブロッコリーの変色を防ぐ効果がある」と話す。

氷を入れるスペースを作って箱詰めする

 過去にブロッコリーが根こぶ病に感染して圃場が全滅した経験から、現在、土壌改良に取り組んでいる。根こぶ病は、土壌中で感染し根にこぶが形成されて生育が阻害されて枯れてしまう。23年には、一部の圃場でトウモロコシの葉や枝を圃場にすき込み土壌改良に取り組んだ。

 「トウモロコシをすき込んだ圃場から品質のいいブロッコリーが多く取れるようになった」と上坂さん。「緑肥としての効果だけでなくトウモロコシも出荷できて一石二鳥。今後も品質の高いブロッコリーの出荷を維持したい」と話す。


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