【新聞:岩手版】雇用拡大に意欲

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】雇用拡大に意欲

[2024年9月2週号]

 【平泉町】平泉町長島の農地を2022年に借りて就農した石川圭さん(34)。夫の智之さん(36)とともにビニールハウス5棟(14㌃)でナスなどを栽培している。自動灌水設備を利用して、高品質なナス栽培に力を入れる。栽培技術を安定させることで、将来は雇用の拡大を目指す。

 「就農を希望している方たちと話しているうちに、自分も農業をしたい気持ちが強くなった」と話す石川さん。東京で農業経営コンサル会社に勤務し、農業のビジネススクールを運営していたが、智之さんとの結婚を機に退職した。20年から2年間、北上市の農家の下で栽培技術や商品のブランディングを学び、22年に独立した。

 石川さんが栽培するナスの品種は「くろべえ」。石川さんは「皮がしっかりしていて、水分を多く含んでいる品種」と話す。4月下旬から11月下旬まで収穫して、JAのほか道の駅や飲食店などにも出荷する。

「表面にツヤがあって、黒光りしているのが良いナスの特徴です」と石川さん

こまめに灌水 生育に合わせ追肥

 「夏場は1日で1株あたり5㍑の水が必要」と石川さん。点滴チューブによる自動灌水設備を使用する。「1回あたりの水の量を少なくして、1日に6回から8回に分けて灌水する」

 自動灌水設備は、追肥にも使用する。「作物の状態を見ながら、5日から10日に1回程度、液肥を与えている。葉や茎、根の生長、実の形成を促すための基本となる窒素、リン酸、カリのほか、生育状況に合わせてアミノ酸なども補充する」

 今年は猛暑の影響があったという。「暑さでナスの花に被害を受けた。ハウスの温度上昇を防ぎたい」と、ハウスの屋根に塗布型遮熱剤を利用することを検討している。

 今後について石川さんは「栽培技術を安定させたい。現在は従業員3人を雇用しているが、経営基盤を整えて、たくさんの方を雇用したい」と話す。


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