[2021年9月3週号]
【胆江】奥州市の胆沢地域無人ヘリコプター防除協議会(高橋善行会長=57歳)では、県立水沢農業高校の授業で、無人ヘリコプターと産業用ドローン(小型無人機)を使用した防除作業を披露。薬剤の散布作業を間近で見学した生徒は「貴重な体験ができた」と話した。この授業は、同協議会が同校からの依頼を受け、昨年からヤンマーヘリ&アグリ株式会社東北営業所と協同して散布作業を披露している。
当日は、同校農業科学科作物専攻班の2年生8人が、同校の敷地内にある水稲実習田2・1㌶で薬剤散布作業を見学。無人ヘリコプターと産業用ドローンの2機を使用した薬剤散布作業を見学した。
無人ヘリを使用した防除では、機械を操縦するオペレーターと機体の様子を目視で確認する補助者が連携し作業。連続稼働時間は約40分、薬剤は最大32㍑搭載できる。作物から3~4㍍の高さで飛行し、およそ6分間で作業は完了した。
負担を大幅に軽減
続いてドローンを使用した防除を見学。ドローンの連続稼働時間はバッテリー1個でおよそ10分で、搭載される薬剤は最大16㍑だ。搭載するセンサーにより、障害物への衝突を自動で回避するなど操縦の負担を大幅に軽減している。
「全自動航行による作業が最大のメリット。散布する圃場の四隅をドローンに記憶させることで、自動で散布することが可能」と高橋会長。
見学した佐藤蓮貴(はずき)さんは「通常の授業ではできない貴重な体験をすることができ、農業をもっと学びたいと思った」と話す。
高橋会長は「今回の授業が農業への関心をさらに持つきっかけになればうれしい」と話した。