[新聞:岩手版]県産「ナンブコムギ」のベーグル~風味にほれ込んで~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]県産「ナンブコムギ」のベーグル~風味にほれ込んで~

[2017年4月2週号岩手版]

【紫波町】県産のナンブコムギを使用し、素材の味を生かしたパン作りに励む、紫波町江柄の「手作り工房きくぱん」(横沢きく代表=67歳)が製造するベーグルやスコーンが、産直施設やインターネットで人気を集めている。横沢代表は「子どもたちにもしっかり噛んで食べて、素材のおいしさを味わってほしい」と、食育活動にも力を入れている。

ナンブコムギのおいしさを味わってほしい」と横沢代表

 菓子作りが趣味という横沢代表が、本を見て同町産ナンブコムギを使用したパンを作っていたときに、偶然目に留まったベーグルのページ。「ベーグルは牛乳やバターを使わずに茹でて作るので、ナンブコムギの風味の良さがはっきりと分かった」とナンブコムギで作ったベーグルの味にほれ込んだ。横沢代表は、2008年に農作業場を改築し「手づくり工房きくぱん」をオープンした。

 地元の農産物を使い、素材本来のおいしさを生かした商品づくりを心掛ける横沢代表。添加物などは極力使用せず、出来たてのベーグルを専用の機械で瞬間冷凍して出荷している。「自然解凍しても作りたてのおいしさが味わえ、添加物を使用しなくても賞味期限が長くてロスが少ない」と、横沢代表はおいしさだけでなく経営面での有効性も実感している。

 人気商品はベーグルの生地に同町産ヒトメボレを炊いて混ぜた「お米シリーズ」。炊き込みご飯やケチャップライスなど、バリエーションも豊富で、ずっしりと重みがあり、ひとめぼれのモチモチ食感と、噛むほどに県産ナンブコムギの風味が味わえる。

 食育活動にも積極的な横沢代表。「よく噛んで食べることで素材の持つ本当のおいしさが分かる」と、パン作り教室などを開催して、地元農産物のおいしさを子どもたちに伝えている。

自然解凍で作りたてのおいしさが味わえる。レジャーやオフィス、農作業の休憩や昼食にもおすすめ

 「全国から注文をいただき『おいしかった』と言っていただくことがやりがいです」と話す横沢代表。インターネットでの販売にも力を入れ、今後も岩手県の農産物のおいしさを全国に発信しようと意気込む。


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