[2021年11月1週号]
【盛岡】紫波町佐比内でブドウを栽培する蒲生庄平さん(44)は、インターネット産直「しわちょく」を運営し、地元産の野菜などを販売する。商品は郵送のほか、購入者の好きな時間に提携店舗で受け取れるようにした。「農村での販売手段を増やし、地域経済の活性化につなげたい」と力を込める。
蒲生さんは、2019年にブドウ栽培を始め、今年で3年目。90㌃の圃場で「キャンベル・アリー」など約10種類の品種を栽培する。
以前は、出身地の福島県で会社員をしていた。妻の実家がブドウ農家で、帰省した際、ブドウ畑の広がる風景に感動したという。「自然豊かな環境で子育てがしたい」と、6年前に紫波町へ移住した。
「紫波町のおいしい農産物をたくさんの人に届けたい」と、地元の若手農家などと協力し、インターネットを使用した農産物の販売方法を考案。20年9月にインターネット産直しわちょくの運営を始め、同町産の農産物などを販売する。
広告費かけずにPR
しわちょくとの提携店は盛岡市と紫波町に合わせて2店あり、営業時間内であれば、好きな時間に受け取りが可能だ。
「提携店の宣伝にもなる。地産地消を進め、地域経済の活性化につなげたい」と蒲生さん。現在の利用者は100人程度となり、今後は提携店も増やす予定だ。
取れたてのブドウの写真を掲載するなど、会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用する。広告費をかけずにPRできるのが強みだという。
蒲生さんは「ネットの活用は、農村の新しい流通方法を生み出す。確立できれば、若い人も農業に取り組みやすい。新しいアイデアで、農村の経済を盛り上げていきたい」と意気込む。