[新聞:岩手版]田んぼアート 200人が田植え 圃場に命を吹き込む

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]田んぼアート 200人が田植え 圃場に命を吹き込む

[2017年6月3週号岩手版]

声をかけ合って苗を植える参加者

【奥州市】「田んぼアート実行委員会」(森岡誠会長)が企画する田植え作業が先ごろ、奥州市水沢区佐倉河北田地内の水田約40㌃で行われ、市立水沢東中学校の生徒をはじめ、千葉県や横浜市、海外から約200人が参加。今年のテーマ「祝勢揃壽連獅子(せいぞろいことぶきれんじし)」とアンパンマンのキャラクター「コキンちゃん」を描いた。

 田んぼアートは「農業体験を通して参加者と交流を図り、食と豊かな人間性を育む食育を推進しながら収穫の喜びを実現する」という趣旨で始まったもので、今年で10年目を迎えた。

 

アートの図柄を説明する森岡会長

 晴天となったこの日、森岡会長は「今日集まった皆さんと田植えをできることをうれしく思います」とあいさつ。テーマの一つ、祝勢揃壽連獅子は、森岡会長が友人から「歌舞伎役者の中村芝翫さんはどうだろうか」と提案されたもので「紹介してもらえるなら」と準備を進めてきた。

 今年2月、東京の歌舞伎座の公演を観に行った森岡会長は、中村芝翫さん本人と田んぼアートのテーマについて直接話をしたところ、中村さんが喜んで了承してくれた。今年7月には盛岡市と北上市で公演が行われる予定で、中村さんは「近くに来るため田んぼアートの出来を実際に自分の目で見てみたい」と話していたという。

 森岡会長は「今日の田んぼアートに命を吹き込むのは参加してくれた皆さんなので怪我なく頑張ってほしいです」と参加者を激励した。

 参加者は、事前にピン打ちされた水田でアートの作成に取りかかった。使った品種は「べにあそび」など、絵に合わせて色分けした5品種だ。

中学生も参加

 色合いによって区切られた水田では、植える品種を間違えると見ごろの時期に景観を損ねてしまうため、主催者側の一方的な指示ではなく、参加者自ら積極的に声をかけ合って苗を植え、歓声が飛び交う中順調に作業が進んだ。

 参加者からは「楽しかった」「次回も参加したい」「いい作品が出来るように頑張りたい」といった声があった。

 田んぼアートは、6月下旬から見ることができ、図柄が立体的に見え始める7月中旬が見ごろ。敷地内にあるやぐらの頂上からアート全体を見ることができる。


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