【新聞:岩手版】ミニトマト 需要に応える

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】ミニトマト 需要に応える

[2022年11月3週号]

 【磐井】2018年に関東地方から一関市大東町にUターンして就農した佐々木和典さん(39)は、ミニトマト栽培を両親と分担して取り組む。規模を毎年拡大するとともに、「栽培を始めてから、農業を継ぎたいという思いが強くなった。将来はすべての管理を担いたい」と今後を見据える。

 佐々木さんは06年に東京の青果卸売会社に就職し、関東を中心に働いていた。実家で農業を主に担っていた祖父が17年に亡くなったことをきっかけに、帰郷し就農。佐々木さんは「農業を担うのが両親だけになったので、手伝わなければならないと思った」と話す。

 ミニトマトは、ビニールハウス5棟(10・6㌃)で栽培。両親と分担し、佐々木さんが管理するのはそのうち3棟(6・6㌃)で、「サンチュリーピュアプラス」400本と「サマー千果」1300本の2品種を栽培する。

 「21年からは、皮が薄く糖度が高いサマー千果を中心に栽培している。需要があるので栽培してほしいと取引先から要望があった」と佐々木さん。

「家族で管理を分担することで管理がしやすい」と佐々木さん

脇芽取りと誘引を重視

 安定した大きさのミニトマトを栽培するため、脇芽取りと誘引作業を大切にする。「作業が2~3日遅れると株が大きくなりすぎる。成長の度合いを観察して作業する」

 毎年3月ごろに一関農業改良普及センターの土壌診断を受ける。ミニトマトに適した土壌条件になるように、施肥などの指導を受けて土作りを開始。4月下旬に、購入した苗をハウスに定植し、葉や茎が伸び始めたころに追肥する。

 収穫は7月上旬から10月下旬まで続く。「暑い時期なので、気温が比較的下がって作業しやすい午後3時から午後6時ごろに収穫する」

 佐々木さんは「繁殖牛の飼育やシイタケ栽培などの複合経営にも取り組んでいる。自分が管理する範囲を増やし、将来は一人で担えるようになりたい」と話す。


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