【新聞:岩手版】産地発展へ前進

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】産地発展へ前進

[2018年岩手版10月1週号]

【久慈市】雨よけホウレンソウの栽培に取り組む久慈地域南部地区ほうれん草協会(川平義明会長)では、岩手県版農業生産工程管理(GAP)の認証を取得した。県内初となる団体での取得を励みに、ホウレンソウ産地としてのさらなる飛躍を目指す。

ホウレンソウを収穫する川平会長

厳重な管理で信頼獲得

 農業生産工程管理は、農産物の安全性の確保や環境の保全、労働安全の確保のため、農作業の各工程で点検項目をまとめ、作業を実施、記録、点検・評価して改善する生産工程管理の取り組みを指す。

 岩手県版GAPの取得では、通常の栽培管理だけではなく、出荷する作物に異物などが混入しないよう、作業場内の整理整頓や農薬などの管理の徹底が欠かせない。さらに、使用する農機具のオイル漏れなどがないよう整備しているかなど、さまざまなチェック項目がある。

 

地域への拡大に期待

 同協会は、久慈市・野田村・普代村のホウレンソウ生産者11人で構成。総栽培面積は200㌃で、そのうち60坪のビニールハウス20棟で栽培する川平会長は、「GAP認証は、消費者の信頼を得るために将来的に必要になると思う」と団体での認証取得を目指した。

 2018年6月に、県による同協会のホウレンソウの生産工程の現地調査が行われ、審査委員会を経て、7月に岩手県版GAPの取得が認められた。農業分野での生産工程管理の取り組みは少なく、岩手県版GAPの団体での取得は県内初となった。

 川平会長は「販売価格には、今のところGAP認証は反映されていないが、この取り組みが地域に拡大することを期待している」と話す。

 今回の取り組みを支援するJA新いわて久慈営農経済センター米穀園芸課の澤里文昭課長は「久慈地域のホウレンソウ産地を守るためにも、GAPの取得を各地域にも広めていきたい」と話している。


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