【新聞:岩手版】田植え後の雑草防除 無線操作で10㌃あたり20分

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】田植え後の雑草防除 無線操作で10㌃あたり20分

[2020年7月2週号]

 【磐井】一関市大東町中川の小山和夫さん(65)は、草刈機のエンジンなどを使って「チェーン除草機」を製作し、田植え後の雑草防除に使用している。圃場に入らず遠隔で操縦するため、作業負担は軽減。また、作業時間も10㌃あたり20分程まで短縮した。

チェーン除草機を操縦する小山さん

 「農薬の使用量を減らしているので、圃場に入らないで雑草防除ができれば楽だと思った」と小山さん。無線操作する除草機の製作を2010年から始めた。試行錯誤を重ね、チェーン除草機を完成させた。

 除草機の本体には軽くて持ち運びがしやすいウレタン素材の子供用サーフボードを使用。草刈り機の34㏄エンジンを搭載し、19㌅のプロペラを取り付けた。

 2㍍幅のアームにくくり付けた42本のチェーンに、コナギなど根の浅い雑草の幼芽を絡ませて抜き取り、浮遊させる仕組みになっている。「チェーンの工夫に苦労した。何度も作り直した」と小山さん。チェーンの間を雑草がすり抜けないように、チェーンの先に大小の針金を1つずつ取り付けた。

チェーンの先の大小の針金が雑草を抜き取る

苗の活着後に朝夕作業

 作業は田植え後1週間ほど経過し、苗が活着したころに始まる。「雑草が根を張る前に3~4日に1度、6月末まで天気や雑草の様子を見ながら行う。風が強いとハンドルを取られて操縦が不安定になるので、主に朝と夕方に作業する」

 「以前は圃場に入って除草機で作業していたので、丸1日以上かかっていた。今では10㌃20分ほどで作業が終わる。体が痛くなることもない」と成果を実感している。

 「もともとモノ作りが好きだった。部品があれば何でも自分で作る」と小山さん。「楽しみながら除草の効果があればいいと思って作った。今度は圃場の排水用の溝切りに興味がある」と意欲を高めている。


ページ上部へ